SLAM DUNKを再現したバスケゲームが超リアル【後半篇】
アロハ。コーヒーです。
今回の記事は前回の続き(後半篇)でございます。後半戦のプレーについてもあれこれ言いたいので言わせてください。よろしくお願いいたします。
⬛︎スポンサーリンク
前回記事
[湘北VS山王工業] ゲーム再現版 ※再掲
後半開始
今のバスケでは見れない、前半・後半20分制。ご存知の方も多くいらっしゃるかと思いますが、昔の高校バスケは前半20分・後半20分の計40分ゲームでした。今の高校バスケはクォーター制で10分x4Qの計40分ゲームです。ちなみにNBAは12分 x 4Qの48分ゲームです。
というわけでして、ご覧の通りインターハイ予想ランクCの湘北が予想ランクAの山王工業に対して2点リードして後半を迎えているわけです!
が…
あっさり逆転されてから後半戦が始まります。
プレス!
ここで一気に畳み掛けるのが王者山王の恐ろしいところ。「プレス」で一気に湘北#7宮城にプレッシャーを与えます。相手のコートにボールを運ばれる前に2人がかりで宮城を挟み込み奪いにかかります。
やはり、いきなりプレッシャーをかけられるとびっくりするもの。すぐにボールを奪われて山王の連続ゴールを許してしまいます。
【解説】「プレス」とは…
フルコートプレスやオールコートプレスと呼ばれる戦略で、自分たちがゴールを決めた後に開始します。シュートを決めた後、相手のフロントコート(攻めるゴールのあるコート半分)までボールを運ばれる前にボールを運んでくる相手選手に対して2人がかりでボールを奪いにいき、連続得点を狙う戦略です。
普通は得点した後は、相手のフロントコートまで全員で戻ってがっちり構えてからオフェンスを迎え撃つことが多いです。やはりシュートはゴール近くの方が決定率が高いものです。ゴール近くで固まってディフェンスすることで、身方がドライブで抜かれたとしても他のメンバーでカバーしてゴール近くのショットを防ぐことができるためです。
プレスをするということは、相手のバックコートまで守備範囲を広げ、且つ2人がかりで相手のボールを奪いにいくことになります。そのため、体力の消耗が早くなってしまいます。また、一度相手のバックコートで2人抜がれてしまうとお互いにカバーし合うことが難しく、イージーショットを決められる確率も高くなってしまうのです。
しかし、逆に相手のバックコートでボールを奪えさえすればそこは自分たちのフロントコート。ゴールは目の前でこちらもイージーショットで連続得点をすることができるわけです。まさに「諸刃の剣」の戦略なのです。従って、後半に負けているチームがなんとか戦況を変えるために仕掛ける場面が多いです。山王は勝ち越したのにもかかわらず仕掛けてきました。監督の選手に対する自信の表れです。この前半の5分で決着をつけにきたわけです。
実際のプレスのシーン
<試合概要>
2012年インターハイ決勝
延岡学園(宮崎) VS 洛南(京都)
長いので、57:30〜ご覧ください。非常に面白いです。洛南48vs 69延岡学園。第4Q、試合時間残り5:30。21点差を追い上げる洛南高校が素晴らしいです。時間がある方は是非見てください。プレスが戦略としてハマるとチームに勢いがつき、ゲームの展開をガラッと変えることができるのです。
赤木VS河田
漫画ではこの山王のプレスを湘北#7宮城がものすごく低いドリブルで突破するシーンがあり、ようやく一方的な流れを食い止めるまでに至るわけですが、攻撃の要の湘北#4キャプテン赤木が徹底的に山王#7河田に封じ込まれてしまうのです。
赤木の身長は197cm、体重は93kg。守っては相手のシュートをことごとく叩き堕とし(ハエたたき)、攻めては相手の上からボールをリングに叩きつけ(ゴリラダンク)攻守ともに味方に安心感を与えてくれる頼れる湘北のキャプテンです。誰よりもバスケに対して情熱を燃やし、誰よりも練習に練習を重ねました。それなのに、全国には彼を上回る選手がいるということです。スポーツは完全実力主義。インターハイで負けを知らないチームは1つしか存在しません。努力は必ずしも実を結ぶとは限らないのです。(しかしながら努力をしないと、こういう全国の舞台にすら立つことができないわけですが。)
突破口は桜木のリバウンド
漫画ではこのように桜木が観客に向かって勝利宣言をします。これで勝つしかなくなったと自分たちを逆に追い込む行動をとったのです。ここから湘北の追い上げは始まるのです。大きく流れを変えたのは桜木のリバウンド。
審判の目を盗み、反則気味ではありますがなんとかリバウンドを制します。桜木がバスケ部に入部した時に初めて赤木に教えてもらったことがこのリバウンドです。「リバウンドを制するものはゲームを制す」まさにこの言葉通り、バスケットボールの試合においてリバウンドとは一番大事な局面なのです。
ここで大事なポイントは、桜木がオフェンスリバウンドに成功したという事実です。リバウンドというものは当然ディフェンスの方が有利です。基本ディフェンスはゴールに背を向けてゴールにより近い位置に立っているものだからです。そんな中でオフェンスリバウンドを取るのは難易度も高く、成功するとそのプレーは非常に価値の高いプレートなるわけです。桜木はその大仕事をチームの危機的状況下でやってのけたのです。
あきらめの悪い男
桜木のリバウンドでチームに勢いがついてきました。ここで追い上げを現実のものにしたのが再び湘北#14の三井の3Pシュートです。
前回記事にも書きましたが、三井は湘北バスケ部を一度怪我で休部し、そこから不良とからうようになってしまい、バスケ部から長い間離れていました。ブランクで体力が衰えています。なので後半戦にはめっぽう弱いミッチーですが。安西先生から教わったあることをずっと大事にしてバスケに取り組んでいるのです。
「ある教え」とはこのシーンにあるように、最後まで希望を捨ててはいけなということ。また、諦めたらそこで試合終了であるということです。この過去の安西先生の教えがあきらめの悪い男を作り上げたのです。
泥にまみれろよ
三井の3Pを成功に導いたのはこの赤木のプレーです。
先ほどの三井の3Pに至るまでの動きがこちら。
赤木が三井のディフェンスをブロックしています。このはスクリーンというプレーです。スクリーンはバスケの試合で頻繁に行われます。自分を囮にして見方をフリーにするプレーです。前の項目で赤木は河田に完璧に封じ込まれているわけです。1on1で勝てないと悟った赤木は自分以外のチームメイトを活かすプレーに転じるわけです。
このきっかけを作った男は、神奈川県内のライバルである陵南高校キャプテンの魚住。魚住がなぜこんなアドバイスを赤木にしたかと言いますと、 この魚住本人も神奈川県大会で赤木に苦戦して手も足もでなかった経験があるからです。大黒柱の魚住が赤木に対して歯が立たない状態であったとしても、陵南高校が湘北と非常にいい勝負ができたのは、魚住以外にも得点をできる選手が多くいるためでした。
魚住が1on1で30点も40点も取る必要はなく、見方の選手を生かしたプレーでチームが最終的に勝利を収めることに徹することがいかに大事かということを自らの経験で熟知しているため、赤木にこのアドバイスを送ったのではと僕は考えております。
安西先生が震えたプレー
さて、このプレーのどこが「ぶるっ」なんでしょうか!?一見普通のリバウンドに見えます。実はですね、このプレーで安西先生が震えていたのはこの桜木の身体能力にあるのです。連続でジャンプしそのジャンプの高さ。これが人並み外れた能力であるということ。そして加えてジャンプの最高点到達までのスピードです。最高到達点までのスピードが速いということは瞬発力が非常に優れているということになります。安西先生は桜木のこの瞬発力に一番惚れ込んでいるのでは僕は考えております。
この桜木の諦めないプレーが三井の3Pに結びついたのは説明するまでもないでしょう。三井が3Pを思い切り打てるのも、もしショットを外したとしても赤木や桜木が必ずリバウンドを拾ってくれるという大きな信頼に他なりません。
沢北の3倍返し
再び三井の3Pで追い上げてくる湘北に対して、山王のエース沢北が黙ってはいませんでした。半沢直樹でさえ倍返しで済ましているというのに、この男、3倍返しを宣言しているのです。恐ろしい。
1、フローター
沢北の「ひょいっ」というの技はフローターと呼ばれているショットです。この絵の通り相手のふわっとボールを浮かしてブロックの上をボールが通るように早いタイミングでボールをリリースするのがコツです。
余談ですが、日本人でアメリカにバスケ留学した冨樫選手が非常にこのフローターが上手でした。 NBAでは小柄なガードの選手が頻繁にこのショットを駆使してきます。冨樫選手も175cmもない小柄な選手なのでこのショットを身につけてアメリカの大柄な選手に対抗したいのではと思っております。
2、豪快なダンク
3、ダブルクラッチ
これはショットを打つ間際でブロックされると判断した時に空中で相手をかわしてショットを打つダブルクラッチという大技です。ダブルクラッチの代名詞といえば、 元NBA選手マイケルジョーダンです。彼の滞空時間の長さは圧倒的でどんなに身長の高い選手がブロックにきても空中で簡単にかわしてショットを打ってきます。また、普通なら空中で体のバランス崩してしまうところです。しかしダブルクラッチは体のバランスを維持しながらでないと成功しないショットなので、圧倒的なボディバランス、つまり体幹の強さを裏付けるプレーとなるわけです。
流川の反撃
まずは味方にパス。1o1でドライブしかないと分かっていれば相手はディフェンスしやすいもの。流川は基本的にはボールが回ってくると自分でショットに持ち込むことが多く、相手の沢北はそれをゲームを通して学習しているので後半になると流川が得意とするドライブが全く成功しない状態となっていたのです。
ここで流川がとった行動は味方にパスをすること。相手にこいつは味方へいいタイミングでアシストパスもしてくると思わせることによって次のプレーの幅が広がるわけです。流川の強いところは1on1で勝てないから勝負を諦めるというわけではなく、一回パスを挟んで相手にその印象を植え付けてそこから再度挑むという気概なのです。
安西先生はこの流川の"仕掛け"を察していました。
流川はこのように反撃をしたのです。
しかも沢北のひょいをそのままお返しするというおまけつきで。
救世主桜木
このプレーでチームに勢いをつけるも、自身の背中を痛めた桜木は一度ベンチに下がります。プレー続行は困難で無茶をしてしまうと選手生命に関わる状況でしたが、桜木は自らの意思でコートに戻ってきます。
フラフラになりながらも桜木は相手に対して果敢に食らいつき、ブロックを決めて三井の3Pシュートで1点差まで詰め寄ります。
残り50秒の攻防
戦況は残り50秒、75-76で山王リード、山王の攻撃です。そう、ここで決められたら3点差以上。勝機が一気になくなってしまうのです。晴子ちゃんの言う通り、死守しなければならないシーンとなるわけです。
ここでついに!
赤木が河田をブロック!!
桜木がルーズボールを確保するも、相手に再度ボールを奪われてしましいましたが、それを自ら取り返すというしびれる展開!!
このルーズボールを制したのは流川!
ここから一気にゴールをめがけて攻め上がります。
ここで決めたら逆転です。
しかしここで相手にブロックされてしまします。
そのルーズボールをなんと桜木が拾い、
再び流川にパスをしてゴールを決めるのです!
ここからは山王#4司令塔の深津が冷静に残り13秒を組み立てます。チームにサインを送ってフォーメーションを確認します。
ここで決めてくる沢北。
全く恐ろしい男です。
決定的な1本を沢北が決め、
残り9.4秒で77-78山王リード。
しかし、桜木は諦めていませんでした。
しかし、河田(弟)がパスを出させません。
ここでのこり4秒。
流川がディフェンスから抜け出してきて、
赤木からなんとかパスを受け取り
一気にドリブルでゴールを目指して進みます。
残り3秒でシュートに持ち込みます。
しかしディフェンスに阻まれ桜木にパス!
予想ランクCの湘北がランクAの山王に79-78で勝利したのです。
アマゾンリンク
SLAM DUNK(スラムダンク) コミック 全31巻完結セット (ジャンプ・コミックス)
- 作者: 井上雄彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1996/10/03
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (5件) を見る
⬛︎スポンサーリンク